沈黙の惑星

宇宙を舞台に人類とエイリアンの攻防を描く、ミステリアスSFアクション!!
西暦3037年。
エイリアンの侵略により滅亡の危機に瀕した人類は
敵の母星メンダックスに特殊攻撃部隊を派遣。
彼らがそこで遭遇した正体不明の敵とは?
そしてその惑星に秘められた恐るべき謎とは?
西暦3037年。
地球は、メンダックス星の侵略にさらされていた。
滅亡の危機に瀕した人類は、最後の手段として特殊部隊を敵の母星に派遣。
その任務はメンダックス人の免疫システムを破壊する、
“デボルガ・ウィルス”を散布すること。
しかし事態は、意外な展開を見せる。
その星の文明は、はるか昔に絶滅していた。
廃墟の中で、彼らは数百年前に墜落した地球の宇宙船を発見。
彼らより以前に、地球人がそこを訪れていたのか?
そもそもこの惑星は、本当にメンダックス星なのか?
それともすべては、幻覚で人を操るメンダックス人の罠なのか?
疑心暗鬼から、対立を深める隊員たち。
そして彼らは、驚愕の事実と、真の恐怖に直面することになる……。
エイリアンの侵略により滅亡の危機に瀕した人類が、
エイリアンの故郷である惑星に飛び、
そこでエイリアンを絶滅させるウイルスを散布することを試みる・・・という、
意表をついたミッションから幕を開ける本作。
壮大なストーリーは、そのエイリアンの星で意外な展開を見せていく・・・。
かつてない発想で、宇宙を舞台に人類が侵略者への攻防を試みるSF作品。
話が進むごとに謎が深まるミステリアスなストーリー展開で、
人類を救うために結成された特殊任務部隊の5人の心理描写も面白い。
エイリアンの特殊能力が、
人間に幻覚を見せ、心理的・精神的に操るというところもポイントだ。
意外と楽しめて驚きました。
二転三転するストーリーで、途中で止められませんでした。
映像の雰囲気も、そこまで軽くない。
さて、ざっくばらんにストーリー解説をします。
意外と面白い内容なので、
気になった方は実際に見てみても良いと思います。
主人公達は敵の母星とやらに到着しますが、そこが何もない星であることを目撃。
さらに、妙な衣装を着た生命体を捉えるが、仮面を取ると、人間の姿をした少年だった。
ここで、人間に幻覚を見せ、心理的・精神的に操るというエイリアンの能力が生きてきます。
この子は、メンダックス(エイリアン)なのではないか?という疑問が当然ながらわきます。
それから、
どういうわけか、昔の任務についての、お互いの記憶が食い違ったり、
仲間の一人(大尉)が何者かに殺されたり、
ここで、この子を殺すべきかの討論が始まります。
登場人物一人一人も個性があって、違いが分かりやすくて良い。
死んでしまった大尉、判断に迷う主人公、
大尉を殺され激情に走る女、心優しく信心深い黒人、疑心に満ちた博士。
子供が言うには、
「自分の祖先は300年前にここに来た。僕らは人間だ」
とのこと。
「水晶が心を守ってくれるから、ここは安全だ」という。
確かに、星のあちこちに、水晶のようなものが生えている。
夜が来るたび、主人公は夢を見る。
鏡の中の自分が、「任務を果たせ。メンダックスに騙されるな」と語りかけてくる。
話は進み、
その少年の両親の名が、隊員達の内の二人の名(大尉と女)であることが判明。
水晶の力で隊員達は気を失い、少年は「君たちはメンダックスだな」と言う。
さあ、面白くなってきました
気を失っている間に、隊員達は、
自分達が言葉も知識も失って、檻の中で呻いている夢を見る。
目が覚めると、少年はウィルスを奪って姿を消し、
隊員達は数百年前のものと思われる古い船と、その周辺の町を発見する。
そして隊員達は、先程の少年と、別の髭面の男を発見する。
その男は、死んだ大尉の顔をしていた。
大尉の顔をした男は、皆の顔を見回し、「そっくりだ」と言う。
男は、何年か前に、この星に不時着した乗組員の一人らしい。
回想シーンに出てくる乗組員達は、主人公達と同じ顔をしている。
他の隊員は全員死亡したらしい。
「私らか君らがクローンということだ」と男は言う。
今やメンダックスと地球人の戦争は終わっており、
「メンダックスは地球の敵ではない。支配者なんだ」と語る。
メンダックスは人類を拘束して戦争の記憶を消し、
地球人は言葉と知識を失って檻の中で獣のように過ごしているらしい。
何を信じて良いのか分からなくなってくる隊員達。
ここで、大尉を殺したのが博士であることを示すフラッシュバックも流れたりする。
まあ、これは分かってたことですが。
博士は激情に駆られ、少年を刺し殺す。
少年は、女隊員の腕に抱かれ、
「母さんはどんな人か、ずっと知りたかった」と呟き、亡くなる。
髭面の男(もう一人の大尉)が言うには、
「メンダックスは水晶の力が弱まる夜、夢を見せる」。
主人公の見る鏡の夢も、それらしい。
もう一人の大尉がその夢を見ていたことや、
大尉が死んだ後、主人公(中尉)が夢を見るようになったことを考えると、
その時の指導者が見せられる夢のようです。
ここから、少し過去の話です。
主人公達より昔の隊員達(もう一人の大尉たち)は、
主人公達とまったく同じ任務を遂行していたらしい。
そして人類の生き残りを見つけ、数百年前に、人類がこの星に移住したことを聞いた。
昔の博士は、生き残りの男の言うことを信じず、殺害。
メンダックスなら、死んだ時点で男は正体を現すはずだったが、何も起こらず。
そして古い宇宙船と町を発見し、真実を悟った。
しかし博士は信じず、大尉と女以外の隊員を殺し、ウイルスを奪って逃亡。
大尉は博士を殺害した。
大尉と女には子供(あの少年)ができたが、女は出産の際に死亡。
さて、現在に戻りましょう。
メンダックスは、水晶の力で近づけないこの星に逃げた人類の生き残りを滅ぼすため、
人類やそのクローン達に偽の記憶を埋め込み、殺人ウイルスを持たせて、
この星へと送り出していた。
でも、これもメンダックスによる嘘かもしれませんよね。
すべてを聞いた主人公は、自分の信じる真実を選択し、夢の中で、
もう言いなりにはならないと、鏡の向こうの自分(メンダックス)に語りかける。
すると、今度は博士がその夢を見るようになる。
「人類を救うためウイルスを使え」
博士は夜の間に、ウイルスを奪って逃げようと動き始める。
が、もう一人の大尉に見つかり、「言いなりになるな。戦え」と言われる。
しかし聞く耳を持たず、ウイルスの一本を放り投げ、割る。
そこから追跡劇が始まるが、やがて皆、博士も含めて、咳き込んで倒れ始める。
そして全員が、例の鏡の夢の中で目を覚ます。
鏡の中から、メンダックスの一人が語りかけてくる。
このメンダックスはガリンと名乗り、「今まで夢を見せていたのは私だ」と言う。
このメンダックスは人類を滅ぼすことに反対らしく、殺人ウイルスを開発するフリをし、
主人公達に持たせたものは、人間の脳を刺激し超能力を引き出すものらしい。
そのメンダックスは常に監視されているため、真実をハッキリ伝えることは不可能だった。
そこで、「人類を救うため、ウイルスを使え」と、嘘の中に真実を隠して夢で伝えた。
真実を話した今、ガリンは命を絶たれる。
ウイルスは主人公達に託し、「お前達が決めるのだ」と語る。
そして目覚めた主人公達は、互いに見つめ合い、ウイルスを放る。
物静かな音楽と追憶が流れる。
ウイルスが飛んでいく。
エンドクレジット。
なかなかじゃないっすか?
最後のガリンの説明も、もしかしたら嘘で、
真実を悟ってしまった主人公達に別の嘘でウイルスを投げさせたのかもしれないですし。
結果が分からないところに、また魅力がありますね。
見ていて、何が真実なのか分からなくなってくる辺りは良かった。
すべてはメンダックスの罠なのか、ていうか、どれが罠なのか。
フィリップ・K・ディックの『にせもの』とか『探検隊帰る』を彷彿とさせました。
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B級にしては、良質の脚本だったと思います。
B級だからこそできるストーリーだとも思いますし。
しかも、金をかけなくても映像化可能な内容で。
久々に、良きB級でした。なかなか楽しめましたよ。
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これ見たかったんですよね~
No title
知名度の高い『マイノリティリポート』や『NEXT』なんかはイマイチ……。
No title
No title
脚本の勝利かと。
ディックの作品は読み終わった後orzになることが多いですよね。映画化されたやつも多いし。
「スクリーマーズ」リメイクしてくれないかなぁ・・・