マタンゴ
![]() | マタンゴ (2003/12/25) 久保明、水野久美 他 商品詳細を見る |
ウィリアム・H・ホジスン 『夜の声』を原作とした、1963年公開の東宝制作の特撮ホラー映画。
最近、吉村達也著で『マタンゴ 最後の逆襲』という小説が出版されました。
東宝の許諾を得た続編だそうで、映画と作品世界がリンクしているそうです。
ちょうど最近、『マタンゴ』という映画について友達に紹介していたところだったので、ビックリしました。
続編を読む前に、復習がてら、この☆名作☆を引っ張り出してきて、見ることにしました。
あらすじ
豪華ヨット「あほうどり号」で海に繰り出した7人の若い男女が遭難し、無人島に漂着した。そこはカビと不気味なキノコに覆われた孤島で、キノコ以外に食料はまったくなかった。やがて彼らは食料と女性を奪いあい、対立しあう。そんな飢餓と不和の極限状態の中、不気味な怪物が出没しはじめる。
その島のキノコを食べた人間は、マタンゴという怪物となってしまう。
潮流の関係から、この島には難破船が多く漂着しているが、人の姿も死体もない。
やがて周囲を謎の怪物が徘徊し始め、空腹に耐えられなくなった仲間もキノコに手を出してしまう。
製作者として、あの星新一や円谷英二の名前も。
マタンゴの声には、ケムール人とバルタン星人の声が流用されているそうです。
つい最近、友達にマタンゴ見せたのですが、このことを一発で見破っていました笑
ちなみに、『オーシャンズ11』シリーズや『ソラリス』のスティーブン・ソダーバーグ監督は、
子供の頃にこの映画を見て酷いショックを受け、キノコが食べられなくなったそうです。
俺も小学校低学年の頃にこの映画を見て、
しかも夜にオカンがキノコを出してきて「お食べ」とか言うものだから、
すっかりキノコが嫌いになってしまった。
刻んで、元の形を消してくれれば、なんとか食べれますが。

島に漂着した七人。
この映画では、しっかりと人間関係や島でのサバイバルが描かれており、
怪物が本当に襲撃をしてくるのは、ラストだけです。
それまでは、周囲を徘徊する怪物の恐怖、
飢えや欲求不満からくる人間同士の対立などが描かれています。
古い難破船を発見する一行。恐る恐るの探索の後、ここが宿所となる。



難破船に死骸はなく、さらにはすべての鏡が取り外され、割られている。
また、食料がわずかに残っているにもかかわらず、生存者の姿はない。
これが意味することは一体、何なのか。
船長室の航海日誌は、乗組員が2~3人ずつ戻って来ない日が続くというところで終わっていた。

今後のことについて相談する一同。だが勝手な行動や言い争いが目立つ。
一同は食料探しを始めるが、キノコ以外にはなかなか見当たらない。
鳥を撃ち落そうとするが、鳥は途中で方向転換してしまった。

「どういう意味だ。僕らが分かったのか?」
「いや、この島を避けたみたいだな」
「おい、嫌だぜ。この島は鳥も寄り付かないのか」

「この島は船の墓場だぜ。潮流の関係かな。吸い寄せられて、霧の中で座礁か」

「死ぬほど腹が減って、これでも食いたくなるのかなぁ」


森の奥深くを徘徊する、謎の影。
その夜、宿所となった難破船内を歩き回る謎の影と足音。
窓の外からこちらを眺めてくる視線。着実に近づいてくる足音。


食料を盗み食いしようとした人が怪物と対面し、怯えて主人公達のもとへ逃げてくる。
向かってくる人影を確認した一行は急いで部屋へ引き返す。

部屋の前で止まる足音。緊張が高まる。そして、

怪物を見なかった者達は幻覚だとあしらうが、船の外には、森から続く足跡が。
しかしここでも、争いは絶えない。

「いがみ合ってる場合じゃないよ。一日も早く食料を集め、ヨットを修繕して、この島から逃げ出すんだ」
「言いたいことは、それだけかね。あんたら、鉄砲担いで山をぶらぶらして、それで食い物探してるつもりかね。草を見たら一本一本引っこ抜いて、その根をしゃぶってみる。口入れて噛んでみる。それが食料探しだろ?」
食料を見つけても、全部は持って帰らず、いくらか自分のために隠しておくような者も出てくる。
そして遂には、キノコに手を出すものも。

船のオーナーと船長。二人とも、指導者面をしていると周囲からは非難されている。
そういえばこのオーナー、「宇宙大戦争」にも出てました。
そっちは、なかなか良い役でした。

「あいにく腹は一杯でゴキゲンでさぁ」
「おい、キノコを食ったんじゃないだろうな?」
「さあ、どうだかな。とにかく俺の飯は要らないぜ」

取ってきた食料を売りさばく者。
「大博打だなぁ。こいつが紙屑になるかどうか。俺は絶対にこいつを生き金にしてみせるぜ。お前らさんがたが皆、死んだとしてもね」
さらには、女性を巡っての争いも起こる。

「みんな、あたしが欲しいのよ」

「みんな殺してやる」

「君は──!」

「ああ。たらふく食った。キノコをな」
何とか取り押さえ、監禁する。

二人でヨットに食料詰め込んで脱出しようと船長に持ちかけるオーナー。
だが、「出て行け!」と一蹴される。
場面が変わり、食料集めに行っていた主人公が船に戻ってくる。
船には、争った形跡が。
食料庫に閉じ込められていたオーナー。船長の姿は消えている。
船長は食料を積み、修理したヨットで逃げ出してしまっていた。
この船長、比較的、頼りになる人だと思っていただけにショック。

監禁していたキノコ食った奴を、馬鹿な女が出してしまう。

戻ってきたところで、この場面に遭遇してしまい、撃ち殺されるグラサン。
可哀想なくらい、題名と関わらない死だった笑

隙を突いて形勢逆転。二人を船から追放する。

グラサンの周囲に散らばる“紙屑”。

雨が降り、めきめきとキノコが育っていく。
一番トラウマになったシーンだ。

「いっそ一思いに殺してくれ。なあ。僕は自分で死ぬこともできない人間なんだよ」
「馬鹿なことを言うんじゃないよ。とにかく今日は休め」
「そうするといいわ。笠井さんの分は私たちが取ってきます」
「貴様一人くらい、何とでもしてやるよ」
二人が出かけると、オーナー笠井のもとに、出て行った女がやってくる。


「麻美! 助けてくれ! お願いだ!」
「あなたもとうとう口にしたのね。助けてくれ。その言葉の意味がどういうことか、はっきり分かったでしょう。助けてあげる。一緒に来て」

女に連れられ、森の奥深くへ進んでいく。
周囲にはビッシリと生えたキノコ。
笠井はついにキノコを口にし、気持ちの良い幻覚を見る。
「このキノコを食べてると、いつかキノコになるのよ。あの船に鏡のなかった理由が分かったでしょ。でも一度食べたらやめられない」

半分キノコ化した仲間。
気味の悪い笑い声が響き始める。

逃げ出そうとする笠井だが、完全体のマタンゴたちに取り囲まれ、それも叶わない。
そんな時、霧の向こうからヨットが戻ってくる。
そこに船長の姿はなく、海に身を投げたらしかった。

二人きりになってしまった主人公達のところへ、遂に襲撃してくる怪物たち。
主人公は篭城戦を試みる。

忍び寄る敵。ヒロインは連れ去られてしまう。
大量の怪物が徘徊する森へと救出に向かう主人公。
だが、ヒロインは既に……


逃げようとする主人公を、マタンゴたちが阻む。
そこには、キノコを食べながら、キノコになりかけている仲間達の姿も。

もう誰も欲しがらんわ、お前。。



必死で逃げ出す主人公。
森には、不気味な笑い声と、ヒロインが主人公を誘うように呼ぶ声だけが響く。
ちなみに、あのバルタン星人やマタンゴの笑い声、早送りで聞くと、普通の笑い声に聞こえたりします。
発見☆
ヨットで脱出した主人公は、無事、助けられるが、病院に軟禁される。


最後までキノコを食わず助かった主人公だが、大量に浴びた胞子によって、顔にはキノコが。
これはね。トラウマになりますよ。ホント。
キノコ好きという人も、嫌いやわ~という人も、ポチポチしていただけたら幸いです。


コメント
きのこ好き
No title
そうなんですか~笑
確かに古くて入手しづらいかもしれませんね。
これは一押しですよ
確かに古くて入手しづらいかもしれませんね。
これは一押しですよ

No title
こんにちは。
筋肉少女帯のマタンゴってこれのことなんですね。
観てみたいけど、きのこ食べられなくなったら困るしなあ・・・
筋肉少女帯のマタンゴってこれのことなんですね。
観てみたいけど、きのこ食べられなくなったら困るしなあ・・・
No title
初めまして☆
子供の頃に見て、まさにキノコ!という形をしたキノコは食べられなくなってしまいました
オーシャンズ11の監督もキノコが苦手になったそうですし。
そうとうなもんですね笑
子供の頃に見て、まさにキノコ!という形をしたキノコは食べられなくなってしまいました

オーシャンズ11の監督もキノコが苦手になったそうですし。
そうとうなもんですね笑
No title
発見☆ とかww楽しんでますね^^
No title
楽しみまくりですよ笑
自身を持って趣味だと言えますねw
自身を持って趣味だと言えますねw
No title
主人公いけめんやんけ
No title
マタンゴの声には、ケムール人とバルタン星人の声が流用されているとありますが、全く逆です。
マタンゴの声が後にケムール人やバルタンの声に流用されていきました。
マタンゴの声が後にケムール人やバルタンの声に流用されていきました。
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№429 マタンゴ
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